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久しぶりのブログ更新です。
色々と忙しかったのもありますが、ちょっとした電子工作をやっていました。
マニアックなネタです!

中国製のデジタルアンプ、lepy LP-2024A+というものを買いました。
これ、Amazonでたったの3000円ちょっとなんです。

そんなオモチャを・・・と思うでしょう。
しかしこれがすごい。かなりキチンと鳴ります。
しかも本格的なプリメインアンプに引けをとらない。

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一時期話題になっていたデジタルアンプなんですが、チップ製造元が倒産したというニュースを知って、入手できるうちにと思い立って購入した次第です。
さっそく初期状態のまま繋いで聴いてみましたが、確かに素晴らしい。
今まで聞こえなかった音が聞こえるアル・・・

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今までKENWOOD製のデジタルアンプKAF-A55(当時2万円くらい)を使っていて、分離が良くフラットなサウンドが好きで長年愛用してきました。
それまで使っていたヤマハのP2100という怪物パワーアンプと比べて繊細で軽快。抜群の安定感。
低電力とコンパクトさにも惚れて、デジタルアンプ黎明期から使ってきました。
ケンウッドらしく電源や基本設計がしっかりしていて、音の良いアンプだと思うのですが・・・

正直それよりも中華アンプのほうがいいアル・・・

若干分離が悪い面はあるものの、鮮度が高く、染み入る様な透明感のある音に驚きました。
悪い部分はおそらく電源周りの設計の差だと思いますが、値段を考えると恐るべし。
入力は1系統のみ(端子はRCAピンとステレオミニの排他)、出力もスピーカーのみでヘッドホン出力なし、LCDパネルもなし、という究極にシンプルな設計が音の鮮度に結びついているのかもしれません。

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この手の中華アンプはインチキ品も多いので、中を確認します。
ご丁寧にも分解用のドライバーが付属していました(笑)
特殊形状のネジなので、これは気が利いています。

普通、中を開いたら基本的にメーカー保証が受けられなくなるんですけどね。
「そんなに疑うなら中を見るアル!日本人はうるさいアル!」

それは冗談で、ドライバーが付属している理由は別にあります。
あるパーツを交換する前提になっています。

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うん、確かにTripath TA2024チップだ。韓国製なんですね。
足も金メッキで、ネットで色々見た限りでは本物のようです。
回路の作りも綺麗ですね。

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電源部のコンデンサは、大容量の4700μFが付いています。
安物アンプの弱点のひとつなので、これには驚きました。
フルサイズのトランスには適いませんが、電源にも配慮しているようです。

他にも、ポップノイズを防ぐリレー回路などが動作しています。
全体的に、ネットで予習していた内容よりも改良されているようです。
ネットの評判を見ているのか、こっそり日々改良していくあたりが中国らしい(笑)

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信号回路に乗ってくるノイズを遮断する役目をするカップリングコンデンサ(画像上)が2個ありますが、これの容量が2.2μFしかない上に特性の悪い電解コンデンサーが使われていて、低音域の音質を損ねているという意見がネットに溢れています。
ここを交換するのがこのアンプの定番のようです。

そして写真中央、縦に二つ並んでいるのが音質に関わる重要なパーツ、オペアンプです。
この製品は「下駄」が履かせてあり、オペアンプを差し替えて音質変化を楽しめます。
初期装備として、NE5532Pが付いていました。
オペアンプについては後述します。

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ネットで予習して、アキバで仕入れてきたパーツで、さっそく改造しました。
簡単に書いていますが、ここまで勉強・準備・施工するのに一週間かかってますw

入力直後のカップリングコンデンサーを56μFの大容量のものに交換。
右上に見える2個の銀色のOSコンです。
これでカットオフされていた低音域が鳴るようになり、音も良くなりました。

また、オペアンプからデジタルアンプへ渡す前の部分を10μFのオーディオ用コンデンサーに交換。
下のほう真ん中に見えるゴールドのやつ2個です。
ここに電解(ノイズ遮断に不向き)を使う意味があまりないように思われ、効果はどうだろう?
と思いましたが、意外にも結構音が変わりました。
もともと付いていたコンデンサーがイマイチだったのかもしれません。

これだけでそこそこ音が良くなったので、欲張っちゃいますね。
電源系にも手を付けたいですが、とりあえず信号の流れに関わる2箇所のみにします。
いい物に入れ替えるほど良くなりそうな気もしますが、そもそもこのアンプを使う意味ってw

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さて、これが「オペアンプ」というパーツです。
アナログ回路で音質を左右するパーツは沢山ありますが、このオペアンプは規格がある程度統一されていて、とっかえひっかえしても動作するという珍しい部品です。
これを交換することで、様々な音質変化を楽しむことができます。

このオペアンプを自由に交換できるのが、この中華アンプの一番の魅力なのです。
本来は半田付けされている部分が、下駄によって差し替えできるようにしてあるわけですね。

しかも、オペアンプというのはとても安いパーツです。
上の初期装備のNE5532Pは、アキバで80円で売ってます(笑)
長年愛用してきたKENWOOD製のデジタルアンプKAF-A55に付いているオペアンプはNJM4580で、これなどは1個25円です。

高級機に使われるものでも数百円、超高級モデルでも5000円しません。
3000円のアンプで高級機と同じパーツを使用できるわけですね。

もちろん、これひとつで高級機と全く同じになるわけではありません。
回路の設計や品質は大事ですし、ひとつひとつのパーツの吟味と豊富な経験、慎重な設計を積み上げて、優れた製品は出来上がっています。

でも、イイ材を使えば絶対的にイイ音がするのも事実(笑)
100点ではないけど、87点は狙えるという感覚ね。

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このアンプに直接使えるオペアンプは「2回路入り」で「DIP8端子」のものです。
それ以外でも変換端子を挟めば使えます。
他にも難しい電気的な仕様がありますが、ここでは省きます。

ソケットが2個あるのはDIRECT用とTONE用それぞれの回路で使うためです。
このアンプは直結回路と、トーン調整できる回路の切り替えができます。
自分のようにDIRECTしか使わない場合は1個でOKです。
DIRECT用は正面パネル側から見て奥(上)のソケットです。

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アキバの秋月電子で、オーディオ用のオペアンプを購入してきました。
新日本無線が製造する「MUSES(ミューズ)」というシリーズです。
オーディオ向け高級オペアンプのブランドです。

あえてiPhone 6s plusのヘッドホン出力に繋いで聴いてみました。
ありがちな3000円アンプの使い方で聴いてみたいので(笑)
音源はApple Musicの圧縮音源、スピーカーはNS-1000MMです。

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NE5532P
初期装備。アキバで1個80円。
これでも悪くないです。中音域の程よい膨らみと高音の歯切れのよさがあります。
オーディオに興味がなければ、これで十分OK!
初期状態でも、まず不満は出ないサウンドだと思います。

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MUSES8820
いきなり値段5倍の高級品。1個400円です。
初期装備とは全然違う品質。特に中〜低音が格段に骨太で前に出ます。
ブオンという音がドンという感じに締まり、解像度も高まってクリアになります。
部屋全体に低音が強く響いてしまって、夜に鳴らすのが憚れるほど。
ただ高音は相対的に少し遠くなる感じ。上品なんだけどね。
バイポーラ入力という仕様で特有のサウンド傾向のようです。

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MUSES8920
8820のバイポーラ入力仕様に対してJ-FET入力仕様のモデル。1個480円。
今度は8820とは逆に低〜中音域が引っ込み、高音がつややかで華やかです。
いわゆる昭和の「Hi-Fi」のようなハイ重視の傾向(笑)
ボーカル、ピアノ、アコギの艶やかさなど、伸びやかな高音がキレイ。
低音はマイクから1歩離れる遠慮がちな優等生ベーシスト、な感じがしますね。

爽やかに聴ける音で、個人的には一番好みの音です。
高級オーディオ感のあるサウンドですね。これが480円って凄い。
10万円のアンプですって言われたら多分納得してしまいます。

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MUSES02
ミューズのハイエンド。バイポーラ入力仕様。
1個なんと3400円。初期装備の42倍の価格です。
超高級なため、足を折ってはいけませんので専用の下駄が付属します。。

さすがに回路の品質の高さを感じます。定位がクッキリ。
ミキシングで「どこにパンを振ったか」がピタッと分かります。
骨太な音。もともとボワついた音源でも解像感がハッキリと高まります。
遠いピアノから力強いフォルテまで一直線に歌い上げ、パワーにも余裕を感じます。

無駄な色付けがなく、繊細な部分まできっちりと聞かせてくれる。
「音源を味付けなく、ありのままに鳴らすことのできる」
リファレンスとしてなら、これが一番いいですね。
ネットで見るレビューでこれを一押しとする意見が多いのも頷けます。

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左全部と、右のパーツ1個が同じ値段w

ただ、8820や8920と比べて価格差に見合う音質差となると、どうでしょう・・・
何しろ3000円の中華アンプですから、他の部分の品質的な限界もあります。
これでもMUSES02の実力を発揮しきっていないでしょう。
これほどの高級パーツを使う効果が、最大限出ているかというと怪しい。
軽乗用車にポルシェのエンジンを積んでるみたいなw

でも、一度聴いてみないとそうは思えないのですから、結局買うわけです(笑)
「文句があるなら買ってから言え」
これぞまさにオーディオ沼!


他にMUSES01という、J-FET入力仕様もあります。
ただ自分はMUSES8920の音で十分いいと思う。聴いてみたいけど(笑)
いずれアキバ行った時に、つい買っちゃいそうだなぁ。

自分はMUSES8920が気に入ったので、しばらくこれを付けておこうと思います。
もちろんミューズ以外にもオペアンプは星の数ほどあります。
数十円でもいい音がするものがあるようなので、色々試してみようと思います。


「80万円!安い!」という楽器やオーディオの世界。
高額方向に感覚が狂うのと同じように
「3400円!なんという高級な」という低額方向に感覚が狂うのもいいものです(笑)

安物と侮るなかれ。TA 2024のデジタルアンプ、お勧めです。
ただし仕入れ、部品選定、改造、すべて自己責任で!


【追記】
ボリュームにガリが起きる現象があるようです。
自分も発生していますが、対処法を書きました。
「中華アンプのガリを直す」