131109_0958_01_dsc01533jpg_10778374526_o
ホリデー快速鎌倉号、通称「ホリ鎌」です。
武蔵野線の南越谷駅〜横須賀線の鎌倉駅を、土日に1往復する快速列車です。

この列車、不思議なことに途中、なんとワープするんです!
ある場所から忽然と時刻表と路線図から姿を消し、横浜に出現します。
空白の45分・・・列車は一体どこへ行ってしまうのか!?


LineMap_Musashino
(Wikipediaより)
その秘密は「武蔵野貨物線」という路線です。
JR武蔵野線は通常、南船橋から府中本町までですよね。
でも実は、武蔵野線は東海道線の鶴見駅まで伸びているんです。知ってましたか?
京葉線の南船橋駅から、はるか鶴見駅まで首都圏最大の外郭環状線を形成しています。

府中本町〜鶴見間は旅客列車が運行せず、路線図にも記載されていません。
これが知る人ぞ知る、武蔵野貨物線です。
線路のほとんどがトンネルで、人目に触れず貨物列車が疾走しているのです。

「ホリ鎌」は、その府中本町〜鶴見間を旅客運行する貴重な列車なのです!
この区間は路線図や時刻表にも記載がなく、まさに「消えてしまう」のです。

言うならば、真っ暗なホールの舞台裏の通路を通り抜けるような感じ・・・
そんなアンダーグラウンドな存在である武蔵野貨物線を乗り通すべく、ホリデー快速鎌倉号に乗ってみました。



131109_0721_28_dsc01484jpg_10778242955_o
朝7時半、武蔵野線の南越谷にやってきました。
横浜から鎌倉行きの列車に乗るのに、5時起床で埼玉県に来ました・・・(^^;

131109_0739_05_dsc01487jpg_10778253715_o
南越谷駅は極めて実用本位な、殺風景な駅です。。
せっかく越谷まで来たんだから隣の駅の越谷レイクタウンに行きたい。
でも、今から横浜に戻らなくてはなりません(笑)

131109_0728_31_dsc01486jpg_10778249715_o
小さなテプラが、東武スカイツリーラインへの「イラッとした」感を表現(笑)
あの名前やめてほしいですよねえ。看板代を出す気になれない気持ちがわかるw
駅改良工事をやってるので、新品が来るまでの対応なんでしょうけど。

131109_0726_32_dsc01485jpg_10778247095_o
武蔵野線は、いろいろな列車がやってきて楽しいです。
185系による団体列車が通過していきました。
ホームや沿線各地にも撮りテツが出没しています。自分もだけど。

131109_0759_38_dsc01490jpg_10778380184_o
というわけで7時58分、今日のお目当て、ホリデー快速鎌倉号が入線してきました。
南越谷の時点では、お客はそれほど多くありません。
発車まで2分ですが、先頭を撮影してから乗り込んでもゆっくり席を選んで座れます。
一番後ろの車両のみ指定席で、残りは自由席です。

ちなみにこの列車、9月までは115系横須賀色M40編成が使われていて、最終日は「元祖・横須賀線を走る最後のスカ色」として話題になりました。
現在は183系で、12月からは185系にバトンタッチするそうです。
115系スカ色の横須賀線も大変な人出だったようですが、183系の国鉄色も余命わずか。
撮りテツが集結するのもうなずけます。

131109_0804_12_dsc01494jpg_10778268055_o
現在の首都圏の183系共通の仕様として、両先頭車のクハはオリジナルに近い簡易リクライニングシートで、中間車はリニューアルされてシートピッチが広く、窓も少し大きいです。
平成初期に地下街で流行したブラインド状の照明カバーも、今や時代を感じます。

131109_0804_00_dsc01493jpg_10778265005_o
発車すると武蔵野線を快速運転で気持ちよく飛ばしていきます。
前後を普通電車に挟まれているはずですが、駅間が長いせいか、追いつきません。

131109_0816_38_dsc01495jpg_10778271275_o
南浦和、武蔵浦和、北朝霞などで乗客を拾いながら進んでいきます。
快速なので武蔵野線内の乗降も多く、2ドアデッキ付きは乗降に時間がかかります。
131109_0816_38_dsc01495jpg_10778271275_o
西浦和では東北本線からの線路が合流しますが、この短絡線は「むさしの号」が利用しています。

131109_0841_05_dsc01497jpg_10778395454_o
武蔵野線は、首都圏へ向かって集結する各線を環状につなぎ、貨物列車が都心を迂回できるように作られています。各線との交差点には線路のインターチェンジが設けられています。
実はこうした路線図にない「物流用の隠れた線路」は各地にあり、JRが縦横無尽に直通列車を運行できるのは、こうした便利なネットワークのおかげなんです。

ちなみに湘南新宿ラインも、あたかも新線開業したような印象でしたが、貨物列車が都心を通過していたルートをそのまま転用したものです。
ちょうど最近、品川から羽田方面へ伸びている貨物線を空港アクセス路線に転用しようという計画が話題になっていますが、それもこうした物流線路のネットワークのひとつです。

それをやるならいっそのこと、大井車両基地の新幹線の線路を羽田まで伸ばせば一番いいような気もするんですが・・・。JR東海だからな・・・。
新幹線の線路って羽田空港のすぐ近くまであるんですよ。知ってましたか?


131109_0845_19_dsc01498jpg_10778279575_o
武蔵野線内で最後の停車駅、北府中に停車。
しょぼい駅に停まるものだと思いますが、この先の府中本町駅は線路の関係でホームに入る事が出来ないため、代わりに北府中に停まります。

この時点で車内はほとんど満席になりました。意外と乗るなあ。
秋の行楽シーズンという事もあって盛況ですね。

131109_0846_43_dsc01499jpg_10778550753_o
北府中を発車すると、いよいよレアな区間へと進入していきます。
武蔵野線の「旅客電車」が発着する府中本町駅ホームを横目に、南武線の線路をかすめ、武蔵野貨物線を進んでいきます。

131109_0847_13_dsc01501jpg_10778286175_o
ホリデー快速鎌倉号はここから45分に渡って「路線図から消えます」!

131109_0848_02_dsc01503jpg_10778289465_o
南武線と並んで多摩川を渡ります。南武線から見える謎の線路がこれです。

131109_0848_38_dsc01504jpg_10778292705_o
多摩川を越えると、列車はトンネルへ入り、地下鉄のように長い暗闇を進みます。
この人目を避けて地下を進む線路こそ、武蔵野貨物線です。
レアだ!何も見えないけど!(笑)

131109_0849_52_dsc01506jpg_10778564373_o
谷間で一瞬だけ地上に出て、京王相模原線をまたぎます。稲城駅のあたりですね。
ほどなく再び暗闇となり、地下をゴトゴトと進んでいきます。
次はどこに出現するのか?

131109_0859_38_dsc01509jpg_10789707796_o
長いトンネルを抜けた先は、梶ヶ谷貨物ターミナルです。

川崎市では、市の北部で出たゴミが鉄道で沿岸部へ輸送されています。
川崎市は南北に長く、トラックでは道路の渋滞を引き起こすために考案された取り組みで、環境にも優しいため全国的に注目されています。
東日本大震災によるガレキ処理にも、この輸送設備が役立ちました。
ゴミを効率よく輸送できるコンテナを、この川崎市が持っていたわけですね。

そのコンテナの列を横目に列車は進みます。
列車は再び暗闇のトンネルへ。次はどこかな?

131109_0911_05_dsc01510jpg_10778418164_o
次に現れたのは、横須賀線!
武蔵小杉を過ぎたあたりですね。ここで都心方面からの線路と出会います。
ちなみにこの横須賀線が走っている線路は「品鶴線(ひんかくせん)」という線路で、これも元々は貨物用の線路でした。
しばらくこの品鶴線と武蔵野線が並走していきます。

131109_0911_25_dsc01511jpg_10778570773_o
新鶴見機関区のヤードを抜けると、新川崎を過ぎます。
ここにも185系が待機していますね。

JRにはもうひとつ隠し玉として「羽沢貨物線」という路線を持っています。
平日の朝夕に湘南ライナーが運行しているんですが、今日のような土日は湘南ライナーが運休するため、このように貨物用の引き込み線でのんびり寝ているというわけです。合ってるかな?

131109_0912_23_dsc01512jpg_10778339586_o
新鶴見機関区を通過します。
新川崎駅のホームは品鶴線にしかなく、武蔵野線は通過します。

131109_0912_51_dsc01513jpg_10778577493_o
新鶴見のヤードは再開発のため現在は使われておらず、広大なススキの平原。。

131109_0916_13_dsc01517jpg_10778581423_o
そして京浜東北線、東海道本線をオーバークロスして鶴見川を渡ります。
普段は滅多に乗ることのできない線路で、いい景色!

131109_0917_33_dsc01523jpg_10778318185_o
京浜東北線の鶴見駅を横目に、広い線路の端っこを抜けていきます。
ホームからは「なんか変なところを特急が走ってる」と注目を浴びます。
ここに限らないですが、国鉄色の特急電車は目立ちますね!

131109_0918_04_dsc01524jpg_10778590493_o
ここまで来ると横浜まであと少し・・・
なんですが、ここでゆるゆると停車してしまいました。
「乗務員交代のため、しばらく停車します」との放送。
鶴見駅から通学していた頃、客を乗せた謎の列車が停まっているのを何度も見ました。
ああ、これがそれだったのか!(笑)

窓の外を京浜東北線、東海道線、横須賀線、湘南新宿ラインの電車がひっきりなしに通過していきます。改めて眺めていると、凄い頻度だな・・・。
正直、浦和や大宮からは湘南新宿ラインでも鎌倉へ来ることが出来ます。
それに、たぶんそっちのほうがずっと早い(笑)
ホリデー快速は、のんびり停車したり、変わった貨物線を通ったり、リクライニングシートでゆったりと古都を訪れたい人向けの列車ですね。

131109_0924_38_dsc01528jpg_10778327305_o
再びゴトゴト動き出すと、京急の花月園前駅のあたりで東海道線に転線。
これで武蔵野貨物線を完乗です!

131109_0928_58_dsc01529jpg_10778364006_o
ここからは高速なE231系の群れに合わせて、特急車両らしく一気にギアチェンジ。
滑るような巡航で横浜駅に到着です。
武蔵野貨物線に乗る目的は済んだので降りてしまってもいいんですが、朝も早いしせっかくなので、終点の鎌倉駅まで乗ってみましょう。183系の旅も貴重だし。

131109_0955_58_dsc01530jpg_10778334015_o
先頭の簡易リクライニングシートの車両に行ってみました。
昔ながらの雰囲気がいいですね、最初からこっちに乗ればよかった。
快速電車で183系に乗るチャンスは意外と多いので、今のうちに乗り潰しておきたい。
「ホリデー快速富士山」や「シーハイル上越」は人気どころですね。

131109_0956_07_dsc01531jpg_10778337615_o
戸塚で特急NEXを待たせてホリデー快速が追い越すという下克上を敢行。
大船ではシニア女性軍団が
「えっこれ快速?これ特急じゃないの?」
「いいよ!乗っちゃえばいいって!あなた早く!」
と雑な判断で押し寄せてきたり色々ありましたが、横須賀線に入って終点の鎌倉に到着。

131109_0958_01_dsc01533jpg_10778374526_o
(NEX追い越しはダイヤが乱れていたためで、この日のみの光景だった模様)

131109_0958_48_dsc01536jpg_10778343755_o
鎌倉に着いた列車は、すぐに逗子方面へと回送されていきました。

131109_1001_00_dsc01537jpg_10778348715_o
北鎌倉で降りた人も多かったですが、さすが観光シーズンの鎌倉駅は大混雑です。
でも今日は今シーズン一番の寒さで、ちょっと散策にはツライかも・・・。

もうすぐ紅葉もピークですし、皆様もぜひ、ホリデー快速鎌倉号で鎌倉散策へ!
あっ、武蔵野貨物線もちゃんと見てね!鎌倉よりレアなんだから!(笑)



あくまでも週末のみの臨時列車なので、武蔵野貨物線はJRの完乗ルールには含めないのが一般的ですが、やっぱり一度は乗っておきたい路線です。
全線完乗をやってしまうと、こうした未知の路線は非常に新鮮です・・・。

この勢いで羽沢貨物線も、湘南ライナーで改めて乗りに行こうと思ってます。
貨物線とか短絡線を追いかけている人の気持ちが、分かってきた(笑)